令和4年度研究主題
東京都公立小学校副校長会研究主題
『未来を生きる力を育む 魅力ある学校づくり』
2年以上に渡り、私たち管理職は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大という危機的な事態に直面し、感染状況の予測が極めて困難な中、学校の教育活動をどう進めていくのかを常に模索し試行錯誤を繰り返してきました。少しずつ日常を取り戻そうとする動きも見られますが、先行き不透明な中で、正解のない問いにどう立ち向かうのかを問われ続けています。
どのような状況にあっても、学校は全ての子供たちが安心して楽しく通える魅力的な場所でなくてはなりません。そのためには、目の前の事象から解決すべき課題を見出し、主体的に考え、多様な立場の人々と共同的に議論を重ね、納得できるものを生み出す力を私たち一人一人が身に付ける必要があります。
このことは、新学習指導要領が育成を目指す資質・能力そのものと言えるのではないでしょうか。どんな困難があっても思考停止にならず、本当に大切なことは何かを考え、どうすれば実現できるのか知恵を絞り、周囲を巻き込みながら前にすすんでいきたいと考えます。
今年度は、第12期全国統一研究主題「未来を生きる力を育む 魅力ある学校づくり」の具現化を目指した研究活動3年目(最終年)となります。2年間の研究をもとに、令和4年度も都内各地域の独自性を生かし、取り組んできた研究実践を持ち寄り、真摯な研究活動を推進していただきたいと考えます。
全国公立学校教頭会は、第12期全国統一課題を設定するにあたり、以下の理由を示しています。
第12期の研究主題に設定した「未来を生きる力」とは、子供たちが時代の進展・変化に的確に対応する「生き抜く力」であり、自ら積極的に未来を創造していく意欲を持ち行動する「生きる力」でもあります。第11期の全国統一研究主題「豊かな人間性と創造性を育み未来を拓く学校教育」で解明されたことを明らかにしながら、第12期では残された課題を踏まえた問題解決型の研究を継続し、さらに一歩進んで、新たな夢を描く想像力と新たな夢を実現する創造力(自ら積極的に未来を切り開いていこうとする生きる力)を育み、子供たちにとっても、教員にとっても「魅力ある学校づくり」を具現化していきたいと思います。
これを受け、東京都公立小学校副校長会も研究を進めていきます。これまでの研究発表大会通算62回という長い歴史の中で、研究理念や成果、多くの会員の方々の思いを引き継ぎ、「継続性」「協働性」「関与性」を大切にして研究を続けてきています。来年度の関東甲信越ブロック研究大会を見通しながら、今年度も全都にわたって副校長の力量を確かなものとしていきましょう。
各地区では、①教育課題に関する課題、②子供の発達に関する課題、③教育環境整備に関する課題、④組織・運営に関する課題、⑤教職員の専門性に関する課題、⑥「副校長の職務内容や職務機能に迫る課題、において研究を積み重ねるよう取り組みます。昨年度までの発表を行った各地区の組織的な研究実践の成果・課題を共有し、各地区や各学校にその実践を波及させることを願っております。
これからも、東京都公立小学校副校長会の研究活動の中で学ばれたことを活かして、質の高い学校教育の推進及び学校づくりを目指し、副校長としての資質能力の向上に大いに役立てていきましょう。