令和6年度活動方針
6年度は「未来を切り拓く力を育む 魅力ある学校づくり」という13期全国統一研究主題の2年次を迎える。関東甲信越地区研究大会で採択された大会宣言①「将来の予測が困難な時代に、地域や社会に開かれた教育課程を展開できる、「魅力ある学校づくり」の推進。」がまさに求められている。
学校を取り巻く問題は山積している。大会宣言②「時代の進展・変化に的確に対応する「生きる力」を身に付けた児童の育成を推進するための教育諸条件の整備」など多岐に渡る問題について実践的研究を通して解決していかねばならない。
さらに東京都では数年前より課題となっていた教員の人材不足が全国的に問題となり、教員採用への応募者減少に歯止めがかからない。また、平成15年度から始まった教員の大量採用世代が管理職選考を受験する年齢となり、経験の浅い副校長の増加が見込まれる。
私たち東京都公立小学校副校長会は、新しい時代の教育に対応できる提言能力をもつ職能団体として、創意工夫を重ね、次の3つの視点をもって活動を推進する。
1 研究活動の推進
(教育基本法9条)に定められているように、「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。」この条文は教諭や主任教諭•主幹教諭にのみ課されているものではない。
新型コロナウイルス感染症対策で、各地区の副校長会やブロックでの副校長会が対面による実施ができない状態が続いた。その結果研究活動が休止されている地区も複数存在する。副校長は激務なので研究活動を行わなくてもよいのではないかという声も上がっている。しかし、教員が「自校は課題が多いので、校内研究は行わなくて良いのではないか」と管理職に提案してきた時、校長・副校長はそれで良しとするだろうか。
全公教や東京都公立学校副校長会が推進する研究は自主的な研究である。全公教が設定する教育課題は日常の職務を分類して例示したものであり、研究における「研究主題の設定」を容易にするためのものである。私たちは、研究活動の推進を通して、自らの教育管理職としての資質・能力を向上させ、日常の職務のより円滑な遂行と教育活動の充実を図る。
(1)都小副校長研究発表大会の充実
(2)各ブロック別に行っている研究発表会及び地区副校長会の研究活動への支援
(3)全国公立学校教頭会研究大会・関東甲信越地区研究大会への参加要請活動の推進
2 要請活動の推進
私たちは山積する教育課題に対し、教育行政と協調し、実現可能な提言を行うことにより、よりよい教育活動・教育環境を作り出す。また、各関係方面に要請活動を行うことで東京都公立小学校副校長会の存在意義を高める。
(1)教育活動充実のための施策の要請
①教職への就労意欲を増進させる新たな地域手当の導入
②教育事業の適切な精査
③特別支援教育のさらなる充実
(2)教育環境条件を改善するための施策の要請
①学校規模による講師任配当格差の改善
②効率的に講師・臨時的任用教員を配置するための措置の改善
③教員定数の実情にあった改善
④スクールソーシャルワーカーやスクールロイヤーの登用と公共福祉機関との職務
の明確化
(3)副校長の職務内容や処遇の改善
①副校長の職務の明確化
②副校長補佐の全校配置
③副校長管理職手当の退職金への反映
3 組織の強化と関係諸団体との連携
私たちは、自らの関係強化、また関係諸機関と協力することにより、自らのもてる職能を高め、職能を発揮する。
(1)会員相互の連携強化
①各地区の情報共有を通した、東京都公立小学校副校長会の組織強化
②機関紙「東京の副校長」並びに「副校長だより」を通じた広報活動の充実
(2)関係諸機関との連携
①東京都公立小学校校長会・東京都教育委員会との連携。
②東京都議会各派への要請活動の継続
③東京都公立中学校副校長会との連携
④退職教頭・副校長会との連携